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夜は短し歩けよ乙女
森見 登美彦/角川文庫

 すごくよい。よいよい。
 この方の作品は初めて読んだのですが、文章回しがとても独特。もー受け付けない! 無理! という人もいるかもしれませんけど、少なくとも私の心には合致した。オススメ。
 作品全体をなんともいえない空気が包み込んでいて、残りページが少なくなるにつれて読み終わりたくないなーと久々に感じました。切ないような甘い爽やかな読後感。よかったなー。
 いろいろな話の中でも特に学園祭の話は「黒髪の乙女」の素直さと冴えない「先輩」の波乱万丈っぷりが引き立ってて面白かったです。私も韋駄天コタツで大学中を奔走したい。
 
 なんとなくお洒落な作品でした。

2009.02.06

 



人類は衰退しました4
田中 ロミオ/ガガガ文庫

 でました「人退(公式略称)」の4巻!
 前作は妖精さん分が不足し、なかなかにデンジャーな冒険劇でしたが、今作は全編通して漂う妖精さんの気配。こういう妖精さんの愛らしさとかを見たかった私にとっては嬉しい限り。ブラックな内容もフィルターを通したようなやわらかい表現でお送りされます。
 あと、髪が短いからと頭巾をかぶる調停官さんはなかなかに可愛いと思う。
 
 そしてあとがきに「『人退』に来年新展開があるかもしれない」とのことで。
 まさかアニメ化はないだろうし。何でしょうね。

2009.02.14

 



陽気なギャングが地球を回す
伊坂幸太郎/祥伝社ノンノベル

 人間嘘発見器、演説の名人、スリの天才、正確無比な体内時計を持つ女、それぞれが個性的な能力を持つ4人組の銀行強盗が活躍するクライムコメディです。銀行強盗というのは普通に考えれば犯罪なわけですが、伊坂幸太郎の手にかかれば何とも明るく愉快な話に。テンポがよくすんなり読めました。 
 こんなにオシャレな銀行強盗がいたら、愉快だなと。いないでしょうがね。
 電車でちょびちょび読んでいると、家で一気に読みたくなります。読むのを中断するのが、もううっとうしい。本当に面白かったです。オススメ。

 ロマンはここにあった!

2009.03.01

 





放浪の天才数学者エルデシュ
ポール ホフマン 訳:平石 律子

 各地の友人の家をたずね、転々と泊まり歩きながら、83歳でこの世を去るまで数学の研究を続けた類稀なる天才、ポール・エルデシュ。
 彼を取り巻く問題や、数学仲間達との日常生活でのエピソードなどが綴られております。
 
 有能な数学者を次々に見つけ出し、一人一人に的確なアドバイスを下す。エルデシュすごい。
 そして、エルデシュ以外の数学者の業績も書かれているのですが、中でもこいつぁすげぇと思ったのは、カントールの「無限大よりも大きな無限大があること」の証明。無限大にも種類があるっておい。すごくわくわくしちゃう。しかも証明が私にも理解できるほどにスマートで感動しました。
 
 数学、気になる。って方にオススメです。


2009.04.27



空の境界 <上・下>
奈須きのこ/講談社ノベルス

 なんか久しぶりにこういうの読んだ気がする。
「奈須きのこの文章わけわからないぞ! 気をつけろ!」と噂だったので書店で読んでみたところ、いうほどわけわからなくもなく、楽しめそうだったので上下巻まとめて買いました。
 
 哲学的な話や、それに関して所々説明じみた長いセリフなどもありましたが、面白かったです。
 当て字などのせいで文章表現が独特というか、難解(?)になっていたりするので、人によっては1章読まずに投げ出してしまうかも分かりません。私は十分楽しめましたがね。モノの死の線が見える「直死の魔眼」とかかっこええー。コクトー妹かわええー。
 たまにはこういうのもよいものです。 

2009.06.02





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