伊坂幸太郎のデビュー作とのことです。オススメ。 主人公が訳あってとある島に連れてこられるわけですが、その島の住民が個性的なわけです。「嘘しか言わない画家」「島の法律として人を殺すことを許された男」などなど。 極めつけは「言葉を話し、未来を予知するカカシ」、そういう常軌を逸したキャラクターが登場するのに、何だろう。全然違和感のない日常。存在するはずのない「喋るカカシ」が日常に見事に紛れ込む。そんなカカシは「未来を予知できる」にも関わらず何者かに殺された。何故なのか。 主人公の終盤の台詞は震えましたね。 無駄なものが一切ないみたいな。ジグソーパズルのような作品で、読み終わりが気持ちよく、素晴らしかったです。 伊坂幸太郎すげぇ。すげぇよ。
第14回電撃小説大賞で大賞を受賞した作品です。 美術部員の白塚真一が、純粋で可愛い妖怪、イタチさんと出会いてんやわんやする話。 主人公がヒロインであるイタチさんのことを「なんて可愛いんだろう」だの「横顔が可愛い」だの「しぐさが可愛い」だのと、ことあるごとにいちいち言うので読んでる途中でああ、もうわかったから黙れと思わざるを得ないわけですよ。 ストーリーも大きく動くわけじゃなく全体的にゆるーく進んでいきます。 それにしても、大賞ですか。
伊坂幸太郎おおおお!! 超オススメ! 泥棒黒沢、「高橋」を崇拝する河原崎、不倫を目論む京子、リストラされた豊田、完全に独立した4人の生活がそれぞれ平行して進み、バラバラ殺人を軸にして徐々に絡み合ってゆく様は本当に面白い。本来なら絶対に交わらない人々の生活が随所で交差する話。今私がキーボードを叩いているこの行動も、後々の伏線なのかもしれない。 同じ著者のアヒルと鴨の〜では「神を〜〜」という表現がありましたが、今回は「神を〜〜」ときました。印象が強すぎるので気に入ってます。 是非読んでもらいたい一冊です。読もう! とにかくオススメ!
第10回電撃ゲーム小説大賞受賞作ということです。 塩害という、人間が塩に変わってしまう現象に見舞われた日本、徐々に崩壊してゆく世界の中で出会った、二人のお話。あらすじを読んだ瞬間に心奪われ即、手に取りました。 いやー、こういう世界の終わりを感じさせる中で、諦めず生きている話は好きです。私が読んだのは文庫版なのですが、後からハードカバーも出版されたようで内容も若干違うというから気になります。 なかなかにライトノベルっぽくない作品でした。いい意味で。
満を持しての嘘つきなみーくんと壊れたまーちゃんの話。 物語は、みーくん視点で語られるのですが、彼は嘘つきなのですよ。我々にも嘘をつく。描写の最後で思い出したように「嘘だけど」なんて付け加てくるもんだから、結局本当のところどうなんだ! ええ! みたいな。本当と嘘を見分けるのが難しい局面も多々ありましたが、それもまた、よい。いや、よくないのかな。あらすじは私の口からは語れないぜ。何かをぽろりとこぼしてしまいそうだから。 どことなく、みーくんとまーちゃんの狂気、ぶち壊れ具合が CROSS†CHANNELに出てきそうな感じだなーとか思ったりしながら読んでました。 いやー、表紙を見た時に「ああ、これは面白いだろう」と、案の定私の好みでした。すげー面白かったです。嘘だけど。 ――……いや、嘘だけどね。